まずはこの大きな松ぼっくりをご覧ください
大きさ比較に筆者のiPhone5sを並べてみました。通常イメージする松ぼっくりよりも一回りサイズが大きいですよね。これはどうやら大王松と呼ばれる種類の松らしく、この生の松原にはかなりの数の大王松が群生しているそうです。
松の生命力の高さは良く知られており、常緑樹であることから日本では古来より縁起のいい植物として重宝されてきました。また、その生命力の高さは、神功皇后 ( じんぐうこうごう ) が戦勝祈願のために植えた逆松がそのまま成長して立派な松の木になったという逸話を生み出し、現在の生の松原の地名の由来となったと言われています。
「生きる力」を与えるエリア
そして、実はこの生の松原は、福岡市でも有数のある施設が密集しているエリアでもあるのです。そのひとつが高齢者向け介護福祉施設と医療施設。福岡和仁会病院や西福岡病院をはじめ、数多くの施設がこの周辺に立地しています。もうひとつがハンディを持った子供たちのための施設やリハビリテーションを専門とする療養施設。
どちらもこの世に生きていくことに希望を持ち、前向きに頑張っていく人達向けの施設ですね。
そのような人達にパワーを与え、生きていく前向きな力を後押しする、そんな見えない力のようなものがこのエリアにはあるのではないかと思ってしまいます。
人々が生きるためにできたのが「防塁」
思えば、元寇襲来から生き残るために防塁を築き上げ、上陸を許さずに博多の街を守り抜いた遺跡が残っている場所です。「自分を襲う何かから守り抜く」意思が感じられる場所と言っても良いでしょう。従って、上記のような「生きるための施設」が数多くできたのかもしれません。
生の松原という地名も去ることながら、この地に受け継がれる伝説、そして残された遺跡、それに加えて松の木の高い生命力。そこらへんの有名なパワースポットに負けない「生きる力」を与えてくれる素晴らしい場所なのではないか、と実感しました。
最後に
海沿いの、きれいに整備された石畳を歩いていると、こんなものを発見しました。
敷き詰められた石の間からひょっこり顔を出した「松の子供」です。
松林からは少し離れた、ほとんど海に近い岩場の陰ですが、こんなところでもしっかりと松は育つのですね。