アサヒビールの工場内に、なんと、古墳があるらしい・・・そんな噂を聞きつけ工場見学ではなく古墳見学のために竹下へ。

▲ 博多区の竹下駅に到着。

▲ 竹下といえばアサヒビールの工場があることで有名です。
工場見学が人気で、もはや観光地としても有名なスポットであります。
そんなアサヒビールの工場内に、古墳・・・さっそく行ってみたいと思います。

▲ 駅前の商店街を北方向に進むとすぐにアサヒビールの工場があります。
ちなみにこの通り、「竹下通り」というらしいです。

▲ 東京の竹下通りもいいですが、博多の竹下通りもなかなか渋くて良いお店揃ってます。

▲ そんな渋い通りを抜けると、ド〜〜〜ンとアサヒビールの工場がそびえ立っています。商店街とのコントラストがスゴイです。

▲ 工場の前にはこんな碑が。
アサヒビールがどのようにして成り立ったのかが書かれていましたが、この工場はなんと大正10(1921)年に建てられたのだそうです。
そんなに古くからある工場だったんだ・・・。

▲ 確かに周囲を囲っている塀を見てみるとところどころ古い石積みのものが残っていたりして時代を感じさせます。

▲ 古墳の見学は正面からではなく物流ゲートの方から入らなければいけないそうなので物流ゲートを探すのですが、広大な敷地なのでどこに物流ゲートがあるのかわからない・・・・。
ウロウロとさまよっていると、どうやら逆まわりで来てしまったようです。
でもせっかくなのでアサヒビールの外観を望見しながら歩いてみることに。

▲ 工場沿いにしばらく進んでいくと小さな石柱を発見。

▲ よく見ると「アサ」の文字が!おそらく「アサヒ」と書かれているのでしょう。アサヒビールの境界柱、なかなかレアです。

▲ ・・・・にしてもとんでもない広さですね、アサヒビール・・・。
歩いても歩いても物流ゲートが見えてきません。

▲ 工場のすぐ横に理容アサヒという床屋さんが!すでに廃業されているようでしたがアサヒビールのお膝元ならではのネーミングです。

▲ ずいぶん歩いてようやく物流ゲートに到着。長かった・・・。

▲ 入口にある守衛所で古墳見学の受付をすると中に入る許可証がもらえるそうです。

▲ ちなみに公開日は毎日(12月30日〜1月5日を除く)で朝9時から夕方4時までとのことです。

▲ それにしてもこのサイロ(?)の迫力、スゴイです!

▲ 受付を済ませると、守衛さんから順路の説明があります。
サイロの横の森が古墳だそうです。写真では収まりきれませんがムチャクチャ大きいです。

▲ 入口にあったこの案内図がスケール感がわかりやすいと思います。
図の下にある◯が先ほど見た巨大なサイロ群。
それと古墳の大きさを比較してみると、ほぼ同じぐらいの幅があることがわかります。かなりデカイです!
スゴイな・・・こんな本格的な古墳だとは思わなかったな・・・。

▲ 入場許可証を胸に取り付け、雰囲気も出てきました。
ではさっそく見学に行ってみます。

▲ ちなみに特典としてこんなステッカーももらえました。入場無料なのに太っ腹です。
古墳マニアの人が喜びそうだなぁ。

▲ こんな感じの細い通路を歩いて行くと・・・・

▲ ありました!ちょっと写真ではわかりにくいですがこんもりと土が盛り上がっていてちゃんと古墳であるということがわかります。

▲ 案内板にはこう書かれていました。
東光寺剣塚古墳
この古墳は観音山古墳ともよばれている。古くは江戸時代(1704年)に黒田藩の学者貝原益軒の「筑前国続風土記」という書物にも書かれている。1988~1989年に福岡市教育委員会により発掘調査が行われた。 那珂川右岸の標高10mの台地に上に築かれた、福岡平野で最大級の前方後円墳である。墳丘の大きさは、長さ75m、後円部直径46m、前方部幅59m、高さは前方部と後円部がほぼ同じ5.5mである。周濠は三重に回り、全体の長さは126mと推定できる。現在は一番内側の周濠がその名残をとどめている。二重目の周提堤部の南東側には、「造出し」があり、人物、馬などの形象埴輪が立てられていた。 後円部南側に遺体を埋葬した複室の横穴式石室がある。後室には、石屋形と呼ばれる石棺が置かれている。石室からは副葬された刀、鎌、勾玉などが出土した。古墳の造られた時期は6世紀中頃(西暦550年前後)である。
剣塚北古墳1988年に発見された前方後円墳である。現在の変電所と東光寺剣塚古墳の間に位置している。墳丘や埋葬施設は削られて残っていない。墳丘の大きさは、長さ30m以上、後円部直径24mと推定される。周濠内からは人物や朝顔形の埴輪などが出土した。古墳の作られた時期は5世紀末から6世紀前葉(西暦500年前後)である。

▲ 案内板の内容を要約すると、
・敷地内には二つの古墳があり、いろいろなものが出土している
・二つの古墳のうち大きい方は福岡平野で最大級の古墳であり外側に三重もの堀がめぐらされていた
・古墳は西暦500年前後のもの
ということだそうです。

▲ 小さい方の古墳は現在のサイロがある場所にあったようです。
小さい古墳は現在は残っていないので見学できるのは大きい方の古墳のみです。

▲ 確かに福岡でいろいろな古墳を見てきましたがこの古墳がいちばん大きいです。
相当な地位の人が埋葬されているのでしょうね。

▲ 古墳の横にはこんな神社が。どういった神社なのか説明書きがありませんでしたが、おそらくアサヒビールの商売繁盛や安全を祈願するものか、この敷地内にあった祠などを祀っているものかと思われます。

▲ 古墳の見学には順路が設定されていますのでこれにしたがって歩いていきます。

▲ この古墳は前が四角で後ろが円になっている前方後円墳ですが、周囲を歩いてみるとアサヒビールの敷地はちょうど円墳の部分に沿って丸くなっていることがわかります。

▲ ちなみに敷地の外から見るとこんな感じ。湾曲した塀と道筋が面白いです。

▲ しばらく歩くとこんな巨大な石がありました。これが石室の入口です。

▲ 石室は祠が作られていて管理されています。

▲ 石室の入口部分はかなり頑丈に作られています。
巨大な岩が幾重にも重ねられていて丁寧に埋葬されていたことがわかります。

▲ 石室からは刀や鎌、勾玉などが発見されたそうです。
多くの古墳が盗掘にあっているなか、この古墳の宝物はよく残っていたものですね。
それだけ厳重な構造になっていたのか、盗賊さえも恐れるほどの権力や伝承を持った人物だったということなのでしょうか。

▲ 石室を見た後は古墳の上に登れるように階段が作られていました。

▲ 上から下を見下ろしてみると結構な高さがありました。もはやちょっとした山ですね、これは。
この古墳を作るために大変な数の人が動員されて建築されたことでしょう。
この古墳がいったいどんな地位の人物でどこを治めていたのか、なぜこの場所に埋葬されたのか、いろいろと気になります。

▲ アサヒビールにある古墳、福岡平野で最大級の古墳というだけあってかなり立派なものでした。
このスケール感、みなさんもぜひ体験してみてください。
お酒が飲める人は工場見学の方も楽しいと思いますよ。