2016年4月からスタートしている電力自由化。気になりつつも電力会社は以前のまま・・・という方も多いはず。電力自由化の波に乗るには、いったい何から始めればいいの?まずは、電気料金はどう計算されているのか、その仕組みを知り、電力自由化前後の違いを理解しておきましょう!

「電気ご使用量のお知らせ」を見てみよう
まずは、月々請求される電気料金の内訳について知っておきましょう。
電力自由化前から続く、最も一般的な電気料金のプランは「従量電灯プラン」です(オール電化のご家庭を除く)。
従量電灯プランを契約している場合、以下の3項目の合計が毎月の電気代として請求されています。
1.基本料金
2.電力量料金
3.再エネ賦課金
毎月来る「電気ご使用量のお知らせ」には、「ご請求予定額」の下あたりに、「内訳」として、基本料金・電力量料金・再エネ賦課金のそれぞれの金額が記載されているはずです。一度確認してみましょう。
電気料金の内訳をさらに詳しくー基本料金ー

従量電灯プランの場合、必ずかかっているのが「基本料金」です。
一般家庭向けの基本料金は、電力会社によって「アンペア制(従量電灯B)」と「最低料金制(従量電灯A)」に分かれます。
<アンペア制>
電力会社:北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、九州電力
アンペア制では、契約しているアンペア数によって基本料金が変わります。つまり、契約アンペア数を下げれば基本料金が下がります。
アンペア数は、家庭で一度に使うことができる電力の最大量です。契約アンペア数を超えて電力を使うとブレーカーが落ちます。一度に大きな電力を使わない工夫をすることで契約アンペア数を下げることも可能です。
現在の契約が何アンペアになっているかは「電気ご使用量のお知らせ」に記載されていますので、チェックしてみてくださいね。
<最低料金制>
電力会社:中国電力、四国電力、沖縄電力
最低料金制では、15kWhまでは一律の基本料金がかかり、それを超えると電力量料金がかかります。
電気料金の内訳をさらに詳しくー電力量料金ー

基本料金に加えて、電力量料金を払います。電力量料金の計算方法は以下の通りです。
<電力量料金>
(電力量単価×使用量) ± (燃料調整額×使用量)
kWhあたりの電気料金(電力量単価)は電気の使用量に応じて3段階になっています。(最低料金制の場合は、15kWhを超えた分から3段階で電力量料金がかかります)
使った電気の量が多いほど、電力量単価は高くなっていきます。
例)九州電力の従量電灯Bプランの電力量単価(2018年2月現在)
最初の120kWhまで 17.19円
120kWh超過300kWhまで 22.69円
300kWh超過分 25.63円
また、電気をつくるために必要な燃料は、さまざまな要因で価格が変動します。それに応じて電気料金を調整するのが「燃料調整額」です。
さらに、電力使用量に応じて、以下の再生可能エネルギー賦課金(再エネ賦課金)が加算されます。
<再エネ賦課金>
(再エネ賦課金単価)×(電力使用量)
太陽光発電や風力発電などの「再生可能エネルギー」で発電した電気は、電力会社が一定価格で買い取っています。その費用を電気を利用する人みんなで負担し、再生可能エネルギーの導入を支えているのが「再生可能エネルギー賦課金」の制度です。
普段あまり意識したことがない電気料金の内訳。電力自由化前後で構成がどう変わったのかを知ると、電力プランをチェックするときにも役立ちますね!今まで「よくわからないから」と敬遠していた方も、この機会に新しい電力プランを検討してみてはいかがでしょうか?