照明や調理、お風呂など光や熱を生み出すための費用を「光熱費」といいます。ガス料金は、電気料金とともに「光熱費」のひとつです。ここではガス料金の平均額と、誰にでもできる節約術をご紹介します。

1人暮らしの平均は2,768円
働いている1人暮らしのガス料金はいくらぐらいになるのでしょうか。2016年の政府統計によると、単身勤労者世帯のガス代の1カ月平均は2,768円です。男女別にみると男性2575円、女性3065円で、女性の方が多く使っている傾向が出ています。さらに対象を34歳までの若い世代に絞ってみると全体より少し安くなって、平均は2341円、男性2218円、女性2526円です。ほぼ毎日使うものですから、1日わずか20円の節約で年間7000円超、5年だと40000円近くも節約できる計算になります。
ガス業者を選びたい!ただし条件があります

皆さんが使っているガスは、プロパンガスが都市ガスのいずれかです。プロパンガスは以前から自由化(プロパン業者を自由に選べる)されています。都市ガスも2017年4月から自由化され、電力会社などが都市ガス事業に参入しています。「せっかく自由化されたのなら、安い料金の業者を選びたい」って思うのは当然ですよね。でも、あなたが住んでいるのが持ち家か賃貸物件かで条件が変わります。それをお教えしましょう。
【持ち家(自己所有物件)の場合】
プロパンガスでも都市ガスでも自由にガス業者を選ぶことができます。もちろん都市ガスが整備されていない地域ならプロパンガスしか選べませんが。料金プランやサービス、地域の価格相場などを調べて、自分のライフスタイルにあった業者を選択してください。
【賃貸物件の場合】
1人暮らしであれば、ほとんどの方が賃貸物件のアパートやマンションに入居されると思われますが、この場合は「ガス業者を自分で選ぶ」のは難しいです。なぜなら、大家さんや不動産管理会社があらかじめ(プロパンガス、都市ガスの)業者と契約をしているケースがほとんどだからです。もしお得な料金プランがあれば、大家さんなどに変更を相談してみてはいかがでしょうか。
ガス料金の大部分を占めるお風呂

ガス業者を選べなくても、ガスの使い方を工夫すれば料金を節約する方法はあります。ガスを使うのは主にお風呂とキッチンですよね。以下、それぞれに節約術を紹介しましょう。
【お風呂の場合】
実はガス料金の多くは入浴が占めています。外食中心で自炊はあまりしないという人はいても、あまり入浴しないという人はいないでしょう。またシャワーにしても湯船に浸かるにしても大量のお湯を消費します。入浴時のガス使用を抑えることが、大きな節約につながります。ポイントはずばり(1)使うお湯の量を減らす(2)使うお湯の温度を下げる——の2点です。
ではシャワーを使うのと湯船に入るのはどちらがガス代の節約になるでしょうか。一般的な大きさの浴槽(200ℓ)にお湯をためるのに必要なガス代は70円と言われます。一方、シャワーは1分間に10ℓのお湯が出ます。比較するとシャワー20分で使うガス代と浴槽にためるガス代が同じになります。つまり、20分未満の使用ならシャワーの方がお得ということです。
湯船に浸かると、シャワーよりもリラックス効果、全身の血行促進効果が高いですから、たまには入りたいですよね。その際は、①ためる時に湯船にふたをする②湯温を1、2度低くする③ためたら時間をおかずに入浴するのが節約のポイント。追いだきをしなくて済みますから。また、シャワーも①設定の温度を普段より1、2度下げる②気持ちだけ使う量を減らす——だけでもガス代の節約になります。
調理は中火で、蓋を活用しましょう
【キッチンの場合】
調理をする際は、①ガスの炎が鍋底からはみ出さないよう中火で調理②蓋や落とし蓋をして熱を逃がさなくする③冷凍食品は事前に冷蔵庫に移し替えて解凍し調理時間を短縮する——などの工夫をすると、ガス代の節約になります。また、電子レンジや電気ケトルを利用すると、電気の料金プランや使用時間帯によっては、ガスよりもお得の場合もあります。
関東大震災以降、大規模停電のリスクを回避する策としてガスの使用が見直されています。ガスはほぼ毎日使うものですから、日常のこまめな節約が大きな効果を生みます。「チリと積もれば山となる」の気持ちで、ガス料金の節約にチャレンジしてみませんか?