ぞうさんの知恵袋

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ガスの種類や契約の流れなどをあれこれを教えます!

2020年07月29日

賃貸契約のときに目にする「都市ガス」や「プロパンガス」。ガスの種類が違うことはなんとなくわかりますが、実際はどう違うのでしょう。都市ガスとプロパンガスの違いから、ガス契約の流れ、ガス自由化によって変わったことなど、ガスについてのあれこれをわかりやすく解説します。

どう違う?都市ガスとプロパンガス

賃貸契約の際、物件によって「都市ガス」や「プロパンガス」などの違いがありますよね。これはその物件で使用するガスの種類。この2つのガスは原料から性質、各家庭への供給方法まで全く違います。

「都市ガス」の原料はメタンを主成分とする天然ガス。-162℃まで冷却すると液体になるため、体積が小さい液体の状態のままタンカーで輸入され、気化してから配管を通し、各家庭へ供給されています。

「プロパンガス」の原料はプロパンやブタンを主成分とする液化ガスです。比較的高温の-42℃で液体になるため、液体のまま輸入しボンベに詰めて運び、各家庭で気化して使用しています。

 

価格にも差があり「プロパンガス」より「都市ガス」の方が安いとされています。「プロパンガス」は輸送コストや人件費などが多くかかるためガス料金が高くなるのですね。しかし、火力は「プロパンガス」の方が強く、飲食店にも向いているといわれています。

都市ガスもプロパンガスも!ガス契約の大まかな流れ

まずはお住まいになる物件が「都市ガス」か「プロパンガス」か確認します。どちらもガス契約の流れは大まかには同じです。

①ガス会社にインターネットか電話で申し込む
②ガス使用開始日を決め、ガス開栓に立ち会う(代理人でも可)
③使用するガス専用の機器を用意する

注意したいのはコンロなどのガス機器について。プロパンガス用、都市ガス用とそれぞれ専用機器があり、種類が違うと使えないので注意が必要です。

賃貸物件の場合でも、都市ガス会社を選ぶことは可能です。都市ガスのガス管が通っている物件であれば基本的にガス会社は入居者が選ぶことができます。ただし、入居時にガス会社が指定されている物件もありますので、その点はよく確認しましょう。

2017年からの都市ガス自由化で変更になった点は?

2017年4月から始まった都市ガスの自由化。これまで大手4社のガス会社(大阪ガス、東京ガス、東邦ガス、西部ガス)で、全国の都市ガス市場の約73%を独占していましたが、自由化によって新たなガス会社が市場に参入できることになりました。

これにより、従来の地域独占型の都市ガス供給は撤廃され、各家庭で好きなガス会社からガスを購入できるようになりました。そうなると、心配なのは「どのガス会社を選んだらいいか」ということ。

安いという理由だけでガス会社を選んでしまったら、質の悪いガスが送られてくるのでは?と心配になりますよね。実は、どの会社を選んでもガスの質に影響はありません。それは、新規参入のガス会社も既存のガス管を通して自社のガスを供給するため。すべてのガスは混ざり合って各家庭に届くので、質の低下は許されないのです。

今までと違う点は「好きなガス会社を自分で選んで契約する」この1点だけとなります。

ガス自由化のメリットとデメリットとは?

ガスの自由化はガス会社に競争をもたらし、企業努力による価格の引き下げが期待できます。すでに各社ともに電気料金とのセットプランや割引サービスなど、さまざまなプランを打ち出しています。さらには、既存のガス管の補強や整備、各社の技術力の向上などが見込めるというメリットもありそうです。

一方、複雑なセット料金や価格設定で利用者の混乱を招くのでは、という意見があるのも事実。

また、各企業が競争に参入するというのは、同時に国の保護下から外れることでもあり、液化天然ガスが世界的に高騰した場合、輸入に頼る日本では価格がダイレクトに利用者に響くのでは、と懸念されています。

ガス自由化の恩恵にあずかるためには、自分に合ったプランを慎重に見極める目が必要なのかもしれません。

ガスのあれこれをお伝えできたでしょうか。自由化により消費者はガス会社を自由に選べるようになりました。それと同時に自己選択の責任を負うことにもなります。しっかり選んでお得にガスを使いたいですね。