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勉強しましょう! 賃貸物件契約時の保証会社とは?

2024年11月04日

※【最新情報】11月4日

マンションやアパートなどの賃貸物件を契約するときに、「保証会社」を利用しなければならないケースが増えています。これから住まい探しをするなら、知っておきたいキーワードです。「どんな会社? 何をしてくれるの?」。ここでは、そんな疑問にお答えします。

滞納家賃の肩代わりをしてくれる会社です

保証会社とは家賃保証会社とも言い、借り主(あなた)が万一、家賃を滞納した場合、あなたに代わって貸し主さんに家賃を支払ってくれる会社です。リーマンショック(2008年)以降、家賃の滞納が急増したことから、貸し主を守るために普及してきました。家賃を保証してくれるから家賃保証会社と言うんですね。

注意していただきたいのは、保証会社は滞納した家賃を一時的に肩代わりしてくれるだけで、借り主の支払い義務が免除されるわけではありません。滞納が続けば、保証会社から督促されることも。保証会社を利用するには、借り主の収入などの審査があります。

借り主にとっては、連帯保証人が不要になる場合もあるというメリットがありますが、保証料を保証会社に支払う必要があるので、入居の際の初期費用が高くなるというデメリットがあります。

保証会社ができた背景は?

社会構造の変化

日本では高齢化が進み、単身世帯が増加しています。特に高齢者や外国人労働者など、連帯保証人を立てることが難しい人が増えています。このような状況では、従来の家族や親族を頼ることができず、保証会社の需要が高まっています。

経済的要因

リーマンショック以降の不況や雇用形態の多様化により、安定した収入を得られない人が増加しました。これにより、家賃滞納のリスクが高まり、貸主は家賃保証会社を利用することでリスクを軽減することが可能です。

法制度の整備

保証会社は、国土交通省による登録制度が設けられたことで、一定の基準を満たす業者のみが登録されるようになりました。この制度は、悪質な業者から借主を保護するために導入されました。

利便性と安心感

借主にとっては、連帯保証人を探す手間が省けるだけでなく、万が一家賃を滞納した場合でも保証会社が立て替えてくれるため、安心して住居を借りることができます。また、貸主にとっても安定した収入源となりうるため、双方にメリットがあります。

保証会社は借り主の収入や家賃を審査します

保証会社を利用する際の審査内容について、もう少し詳しくみてみましょう。家賃保証は当然ビジネスですので、保証会社にとっては「借り主が家賃をきちんと支払えるか」「もし滞納した場合に回収できるか」が大きな審査基準になります。会社によって違いはありますが、借り主の年収に比べて家賃が不相応に高額でないか、これまでに延滞・滞納があったかどうか、などが一般的に審査されます。年収を証明するために、所得証明や源泉徴収票といった書類の提出、クレジットカードによる口座引き落としを求められるケースもあります。通常はクレジットカードの審査基準をクリアすれば大丈夫だと言われます。

審査結果は当日か翌日には出ます

ただでさえ時間のない引越、審査ってどのくらいの期間がかかるのでしょうか。心配する人もいるかもしれませんが、大丈夫です。きちんと審査書類がそろっていれば、保証会社の審査は1時間程度で終了します。その後、貸し主が最終判断をしますので、当日か翌日には借り主に結果が伝わります。ただし、追加資料を求められると、もう少し時間がかかりますので、書類に不備がないか事前にきちんと確認しておきましょう。1月~3月の引越しをする人が多い時期は、保証会社も忙しく審査に時間がかかるケースもあるようです。

ちなみに契約時に家賃保証会社に支払う保証料は、月額家賃の3割〜10割というケースが比較的多いようです。

賃貸条件に入っていれば保証会社の利用は必須です

「家賃の保証は連帯保証人じゃダメなの?」と疑問に思われる人も多いと思います。家賃を誰に保証してもらうかは貸し主や管理会社が決めるので、保証会社の利用が条件になっている賃貸物件は原則として利用しなければなりません。以前は、保証会社を利用すれば連帯保証人は不要だったことも多かったのですが、最近では両方が必要なケースが増えています。

保証会社の利用が増えた背景には、家賃滞納者が増えた理由のほかにも(1)高齢化社会の中で連帯保証人の高齢化も進み支払い能力が低下した(2)核家族化が進んで親族との関係が希薄になり保証人を頼みにくくなった(3)家賃滞納時の補償や退去時の現状復帰費用として利用されていた敷金・敷引きの金額が下がった、といった社会の変化もあります。

かつては家賃の強引な取り立て、高額な延滞金などが問題となりましたが、同業者団体が自主ルールを定めるなど健全化も進んでいます。

家賃を滞納するつもりはなくても、急な病気や引き落とし口座の残高不足などで支払いが遅れることもあります。そんなときに立て替え払いをしてくれる保証会社は借り主にとっても心強い存在なのです。