※【最新情報】9月14日
調理や入浴、暖房など私たちの生活に欠かせないのが「ガス」です。しかし、プロパンガスは都市ガスより価格が高いと言われています。同じガスなのになぜでしょう。その理由と節約方法について調べてみました。
プロパンガスが高いと言われる2つの理由
【1】人件費がかかるため
都市ガスよりも料金が割高なのは、ガスボンベを各家庭まで配達したり、交換したり、検針したりするための人件費がかかるのが理由と言われています。都市ガスだと1度ガス管を設置してしまえば、ボンベの交換は必要なく維持費は安価で済みますからね。
【2】ガス会社が自由に価格を設定できるため
2017年4月から都市ガスの自由化がスタートしましたが、プロパンガスはずっと前から自由化されています。つまりプロパンガスは販売店によって料金が違う自由料金になっており、原油価格の高騰や為替の影響などを理由に頻繁に価格が変動しがちです。販売店を自由に選べればいいのですが、それができるのは一軒家で持ち家の場合だけ。アパートやマンションなどの賃貸物件は、大家さんが建物全体でひとつのガス販売店と契約を結んでいる場合がほとんどですから、ガス代が高いからといって自分の部屋だけ別の販売店を選ぶのは難しいのです。
一般的にプロパンガスの料金は都市ガスの1.1〜2.23倍程度高いと言われます。特に冬は水温が低いのでガスを多く使うことになり、都市ガスとプロパンガスの料金の開きが大きくなります。一方、プロパンガスには都市ガスにないメリットがあります。火力が強い(都市ガスの約2倍)、ガスの種類が統一されているのでガス器具の買い替えが不要、それぞれの家庭への個別配管なので災害時の復旧が容易、といった点です。
ガス代が高い!賃貸物件の場合は大家さんに相談を
賃貸物件でプロパンガスを使っている場合でもガス代を安くする方法があります。よりお得な販売店と契約するよう大家さんと交渉してみるというものです。各県のプロパンガスの平均的な価格を調べたり、近所の販売店のガス料金を調べたりと、データを集めて大家さんや管理会社に相談してみましょう。県ごとの平均価格は一般社団法人日本エネルギー経済研究所のホームページ「石油情報センター」で調べることができます。
(石油情報センター https://oil-info.ieej.or.jp/)
ただし、販売業者の中には最初は安くても契約後に一方的にガス料金を値上げしたり、法外に高い解約料を請求したりする業者もいますので、ご注意を。契約する前に条件を書面で十分に確認することが必要です。訪問販売や電話勧誘販売でガス契約をした場合、クーリング・オフ(一定期間であれば無条件に解約できる制度)の対象になります。利用料金があまりに高いと感じたり、契約トラブルになったりしたら地域の消費者生活センターに相談しましょう。
新しく賃貸物件を借りる場合は、不動産会社に物件のガス料金の契約内容をしっかり確認してみましょう。
お風呂は追いだきせず、調理は中火で
販売店をチェンジできなくても、ガスを使う量を減らすことで、ガス代を抑えることもできます。ガス代が高くなるのは水温が低くなる寒い時期ですので、この方法は特に冬場に有効ですよ。
まずは、給湯設備の使い方を見直しましょう。お風呂はできるだけ追いだきをしないよう、家族が間をあけずに入るように工夫してみましょう。追いだきをする場合はお風呂に蓋をして熱を逃さないようにします。シャワーを使うなら普段より温度をちょっと下げる、使う時間を少しだけ短くするのも有効です。
料理の際も、鍋から炎がはみ出してしまう強火を避け、中火で調理をします。ガス器具だけでなく電子レンジをうまく使うのも節約になりますよ。100円均一ショップで販売しているレンジ用調理器具を使ったりすると、電子レンジでも驚くほどたくさんの調理が可能です。食器洗いも食器洗い乾燥機を使うと安価な電気代だけで済み、長い目で見るとお得です。
LPガスの契約における制度改正案について
LPガスには昔から続いている商慣行があり、これを背景として消費者が不利益を被っている現状があります。
LPガス業界と不動産業界の連携により、賃貸住宅に入居する前の消費者へのLPガス料金情報の開示など、いくつかの対応策がとられているものの、制度改正を行うことで、商慣行自体の見直しを図ろうとしています。
問題の背景となっているLPガスの商慣行とは、
LPがす事業者から住宅オーナーへさまざまなモノの「無償貸与」が行われ、その金額が入居者のLPガス料金に上乗せされて請求されているものです。
今後、消費者を守るために以下のような制度改正案がございます。
過大な営業行為の制限
無償貸与などの過大な利益供与といった営業行為を是正するためのものです。
消費者がLPガス事業者を選ぶ際にハードルとなる恐れがある、LPガス事業者の切り替えを制限するような「条件付き契約」の締結などを禁止する。
こちらは、2024年7月2日に施行されています。
三部料金制の徹底
料金の透明性を高めるためのものです。LPガス料金に関する説明責任を求めていこうというもので、改正省令が交付されてから1年後(2025年度)に施行予定になります。
「基本料金」「従量料金」「設備料金」からなる「三部料金制」を徹底し、設備にかかる費用は外に出して表示する。
電気エアコンやWi-Fiなど、LPガス消費と関係のない設備費用をLPガス料金に計上することを禁止する。
LPガス料金などの情報提供
賃貸物件に入居する消費者を守るためのルールです。
入居希望者にオーナー・不動産管理会社・不動産仲介業者などを通じて要請された場合は直接提示する。
こちらは、2024年7月2日に施行されています。
プロパンガスは、都市ガスが普及していない地域でも、すぐ利用できる手軽さが魅力です。火力が強いので料理にも便利。料金は高めですが、賢くガス販売店を選んで、使うときも小まめな節約を心がけましょう。