『さーぁ けーわぁ のぉーめぇのーめ、のーむぅなぁらぁばぁぁ』の唄いだしで全国的に有名な福岡県民謡「黒田節」。黒田長政の家臣「母里太兵衛」のある逸話を唄にしたものだといわれています。
ある日、福島正則の屋敷に、長政の使者として訪れた太兵衛。
彼を酒豪だと知る正則は酒を奨めますが、オフィシャルな業務として参った以上それは出来ないと断わったのです。そこで正則は、「わしの酒が飲めんとは、黒田の武士も堕ちたものだ」と罵りました。
そこでカチンときた(かどうかわかりませんが)太兵衛は振舞われた盃を正則の目の前で一気に飲み干してしまいました。
正則は彼のその男気のよさに感激し、「ほうび」として太兵衛にある槍を与えたということです。この槍が「天下三名槍」と呼ばれた槍の一つ「日本号」なのです。
黒田節の歌詞にもでてきており現在では、黒田家から市に寄贈され福岡市博物館の所蔵品として博物館企画展示室2「黒田記念室」で本物が常時展示されています。