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家賃が支払えない!家賃を滞納するとどうなるの?

2024年07月23日

※【最新情報】7月23日

「うっかりお金を使いすぎてしまって、次の家賃がもしかしたら払えないかも・・・」もしも実際に家賃が支払えなかったら、いったいどのようなことが起きるのでしょうか?家賃滞納が発生した場合の、一般的な流れをご紹介します。

家賃を滞納した場合の一般的な流れ

 

賃貸借契約を結ぶ際に、保証会社を利用してご契約いただく事が一般的です。実際に家賃を滞納した場合、この保証会社が貸主に対して立て替え払いをすることになります。この場合、借主は貸主に対する滞納はありませんが、保証会社に対する返済義務は負うことになります。また、保証会社が家賃を立て替え払いした場合でも貸主は借主に対して契約解除や物件の明け渡し請求を行うことが可能です。

1.書面や電話による支払い確認
まずは、貸主または管理会社から、手紙や電話等で支払われていなかった旨の伝達と確認連絡がきます。この時点できちんと支払えば、大きな問題となることはないでしょう。

ただし、毎回毎回繰り返していると信頼を失います。銀行から自動的にお金が振り込まれる「自動送金」なども活用し、期日までに支払える体制を作りましょう。

2.内容証明郵便での督促状送付
電話や書面で通知しても支払いされない場合、内容証明郵便を使って、「○月○日までに滞納分を支払ってください。支払いがない場合は契約を解除します」という旨の文書が届きます。

内容証明郵便は、「いつ、だれが、だれ宛に、どんな内容の文書を出したか」を記録する郵便です。後ほど裁判になったときに、督促状を出したという証拠にするため、内容証明郵便を使います。

内容証明郵便が送られてきている時点で、かなりの緊急事態です。期日を待たずに即刻支払いましょう。

3.連帯保証人への連絡
内容証明郵便を出しても期日までに支払いがない場合、連帯保証人へ連絡が行きます。

4.契約解除および明渡し請求訴訟
それでも支払いがない場合、賃貸契約は解除されます。契約が解除されても住み続けていると、貸主または管理会社は、部屋の明渡しと未払い家賃の支払いを求める裁判を申し立てます。

なお、契約を解除されて退去したとしても、未払い家賃を払わなくていいわけではありません。遅延損害金などを付加されて請求されるケースもあります。

5.強制退去
訴訟を起こされても退去しない場合は、しかるべき手続きの元、強制的に家具などが運び出されて退去となります。

どれぐらい滞納すると強制退去になる?

このように、数日間家賃の振り込みを忘れてしまったとしても、いきなり強制退去となることはありません。

では、どれぐらい滞納すると内容証明郵便が送られてくるのか・訴訟になってしまうのかというと、それは貸主や管理会社、または個々の賃貸契約によって異なります。

物件を借りるときに交わした賃貸契約書には、多くの場合、家賃の支払いに関する規約も記載されています。「○ヶ月間滞納した場合、契約を解除」等が記載されている場合もありますので、再度確認してみましょう。

支払いできないときはまず相談を

すぐには強制退去にならないからといって、ぎりぎりまで放置していると、貸主や管理会社との信頼関係も崩れてしまいます。内容証明郵便を出すにも、通常にはない手続きを踏まなければならず、訴訟となれば多大な手間と時間、そして費用がかかります。お互いにそのような事態は避けたいものです。

支払いが遅れていることに気が付いたら、まずは、その旨を貸主や管理会社に連絡して、「○日までに支払います」と伝えましょう。そのひと手間だけでも印象は大きく変わります。また、「今月はどうしてもお金が足りなくて支払えない」という場合も、必ず連絡して事情を伝え、支払い期日を相談しましょう。

また、家賃を滞納してしまうと延滞損害金が発生します。
延滞損害金は、支払期限が1日でも経過した時点で支払う必要があります。延滞損害金の利率の上限は14.6%と法律で定められており、14.6%以下であれば貸主が希望する利率を決めることができます。ただし、賃貸借契約書に延滞損害金の利率が記載されていない場合は、一律3%です。
例えば、「家賃15万円、延滞損害金利率14.6%、延滞日数2ヶ月」の条件であれば

150,000 × 0.146 × 61 ÷ 365 = 3,660

となり、2ヶ月分の延滞損害金は3,660円となります。
延滞日数が伸びると、延滞損害金は高くなってしまいますので、滞納してしまった場合は早めに支払いをするようにしましょう。

以上、家賃を滞納するとどんなことが起きるのか、一般的な例をご紹介しました。ちょっとぐらい遅れても・・・と滞納を繰り返していると信頼を失い、早めの段階で法的措置を取られることにもなりかねません。転居先を決める前に、家賃が支払える金額かどうかをよく検討することも大事ですね。滞納することのないよう、収支をきちんと把握しておきましょう。