※【最新情報】8月10日
賃貸物件を探す際、「仲介手数料半額」や「仲介手数料無料」という表記を見かけたことはありませんか?ここでは、仲介手数料とは何か。どのような仕組みで成り立っているのか。また、どうして仲介手数料を安くできるのか。そのからくりについて詳しくご説明します。
そもそも仲介手数料って何なの?
仲介手数料とは、不動産において売主と買主、または賃貸人と賃借人の間を媒介してさまざまなサポートを行う不動産会社(仲介会社)に支払う手数料のことです。手数料は、売買契約であれば売主と買主、賃貸借契約であれば賃貸人と賃借人の双方から受け取ることが可能です。仲介会社の業務は、部屋の紹介、大家との交渉、契約に関する事務など多岐にわたります。
仲介手数料は契約が成立した時点で発生する成功報酬型の手数料なので、契約が成立しなかった場合には仲介会社から手数料が請求されることはありません。
仲介手数料の法的・制度的な規定とは

宅地建物取引業法により、仲介会社が受け取ることができる仲介手数料には売買契約、賃貸借契約それぞれについて上限が定められています。
<売買契約の場合>
・取引額200万円まで→取引額の5%以内
・取引額200万円以上400万円まで→取引額の4%+2万円
・取引額400万円以上→取引額の3%+6万円
例えば、1,000万円の土地の売買を行った場合、
1,000万円×0.03+6万円=36万円
となり、仲介手数料の上限額は36万円に消費税を上乗せした金額になります。
<賃貸契約の場合>
賃貸借契約における仲介手数料の上限額は、仲介会社が賃貸人から受け取る金額と賃借人から受け取る金額合わせて家賃一月分に消費税を上乗せした額です。したがって、賃貸人、もしくは賃借人の一方から家賃一月分の手数料を受け取った場合、もう一方の当事者からは手数料を受け取ることができません。また、仲介会社が賃貸人から家賃半額分の仲介手数料を受け取った場合、賃借人から受け取ることができる金額は残りの家賃半額分ということになります。
仲介手数料無料にはワケがある!?

本来仲介業者は、売上をあげるために仲介手数料を上限の家賃一月分受け取りたいはずです。では、なぜ仲介手数料が減額された物件が出回っているのでしょうか。その理由は以下の3つです。
① 仲介手数料の減額分が他の費用で補われている
賃貸物件には、仲介手数料の他にもさまざまな初期費用がかかります。仲介手数料を値引きする代わりに礼金や初期の付随サービス(抗菌消毒や虫駆除など)の金額を高く設定することで値引き分を補っているケースは少なくありません。
② 大家が仲介会社へ広告料が支払っている
広告料とは不動産を紹介したお礼として、大家から仲介会社に支払われる報酬のことです。
仲介会社としては、広告料の支払いを受けた分手数料を減額しても利益をあげることができます。
また、大家としては広告料を支払うことで仲介手数料を減らし、入居者を決めやすくすることができます。逆にいえば、わざわざ広告料が支払われている物件は入居者が決まりにくい物件である可能性もあります。
③ 大家が仲介会社へ仲介手数料を支払っている
大家が入居者を決めやすくするために仲介手数料を負担します。こちらも広告料のケースと同様だと言えます。
初期費用はトータルの金額で考えよう
今回は仲介手数料についてまとめてきました。賃貸契約で掛かってくる費用の中でも、敷金礼金と同じくらい認知されてきた仲介手数料ですが、先述の通り、仲介手数料は無料でも普段は仲介会社が負担している費用や、元々かかる費用に上乗せをしていたりという例は多くあります。
そのため、初期費用についてはまずはトータルの金額で考えましょう。
仲介手数料だけ安くなってもトータルで掛かる費用が同じであれば、仲介手数料が安くても意味がないですからね。
また、初期費用だけでなく更新時や退去時の費用も契約時には確認するようにしましょう。
トータルの費用というのは、契約時だけでなく入居して退去するまでにかかる費用をみてみましょう。
物件によっては退去時に高額なクリーニング代が設定されていたり、更新料が他物件と比較すると高額だったりすることはあります。何年くらい住むことになるのかしっかり考えて費用については見ていきましょう。
仲介手数料が安ければ必ずしもお得といえるわけではありません。そこには何かしらのからくりがあります。本当に初期費用が抑えられているのか、その他不都合な点はないかしっかりと見極め、自分の条件に合ったお部屋探しをしましょう。