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古きよきフランスが薫る「アール・ヌーヴォー」風の街~天神地下街~

2020年05月26日

渡辺通に沿って南北に広がる天神地下街。雨の日や熱い夏の日でも快適に歩ける上、地下鉄と西鉄、バスの乗換えにも便利なため、毎日多くの人で賑わっています。日頃なにげなく通り過ぎてしまいがちですが、天神地下街にはたくさんのこだわりが詰めこまれていました。

歩いていると、まず曲線の多いデザインが目につきます。たとえば唐草模様の天井や各ショップのドア、街灯風の照明など。円を描くように敷きつめられた石畳の道や、壁のステンドグラスも、日本じゃないような雰囲気を醸しだします。それもそのはず、19世紀のヨーロッパの街並みをイメージしてデザインされているそうです。

▲こちらは延伸された側。天井自体がアーチを描いていますね。

▲天井照明に取りつけられたパネルもアーティスティック。

 

▲波紋のように円形が広がってつながるデザインの石畳。

▲ステンドグラスもレトロな雰囲気で味があります。

アール・ヌーヴォーとは19世紀末~20世紀初めにかけて、ヨーロッパで広がった美術様式です。花や植物などのモチーフと曲線を組み合わせたデザインで、鉄やガラスを使用するのも特徴の一つ。パリのメトロ(地下鉄)出入口のデザインなどが有名です。

▲駐車場入口のドアのデザインも「アール・ヌーヴォー」調。

1976年に開業した天神地下街。2005年の地下鉄七隈線開業に伴い延伸され、現在では全長590mに。そのデザインコンセプトは「劇場」で、通路が客席、ショップは舞台。主役はお客さんで、ショップのスタッフはわき役なのだとか。言われてみてば全体はちょっと薄暗く、スポットライトの光でショップを照らしているところなど、確かにステージを思わせます。開業当初は「暗い」という批判にあい、照明を増設したこともありましたが、その後取り外されたそうです。この光と影も、ヨーロッパの雰囲気に一役買っているのかもしれません。

ちょっと薄暗い照明と、アール・ヌーヴォー調のデザインには、時を経ても「古さを感じさせない」という効果もあります。どなたがデザインを手掛けたのかは分かりませんでしたが、素晴らしいセンスですね。

▲ダウンライトと間接照明、そして街灯が、全体を柔らかく照らします。

今年で開業40周年を迎える天神地下街では、4か所のトイレをリニューアル。すでに3か所のリニューアルが完了しており、そのうち1か所は本を積み上げたような入り口がライブラリー風で、「本当にトイレなの?」と一瞬戸惑うくらいおしゃれです。さすがに写真を撮るのは気が引けたので、気になる方はこちらでご確認を。

http://www.tenchika.com/id/event/archive/post-13.php

次に地下街を通る時はぜひ、トイレにも立ち寄ってみてください。

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