街ネタ探しに奔走している時に偶然見つけた看板には・・・
今回、街ネタ探しを目的に西鉄二日市駅を降り立った筆者は、何かしら面白いネタは無いかなと、駅前のとよ唐亭の唐揚げをつまみながら街をぶらぶらしておりました。この店の唐揚げのおいしさと社長の顔だし看板だけでも1本分記事が書けるなあと思いましたが、二日市以外も店舗がたくさんあることを知り断念。次なるネタを探して歩いている筆者の目に、とある看板が目に留まりました。これといって珍しいものではない、どの街にもある看板なのですが、20年以上東京暮らしをしていた筆者にとって、その内容は思わず2度見ならぬ3度見してしまったほど驚きでした。
24時間で600円!!?? 相場おかしくないですか?
それはこのパーキングの看板。その料金表示の部分です。駅前の一等地にもかかわらず、24時間駐車して600円というのは、「ちょっと何言ってるのか信じられない」と独り言を言ってしまう程驚きの設定です。それも1か所だけでなく、駅周辺にあるほぼすべてのパーキングがこれに近い価格帯で運営されているのです。
筆者が横浜に住んでいた頃、とあるベッドタウンの駅前駐車場は12時間1600円(それを過ぎると1時間400円)でしたし、東京都内だと1時間600円(長時間割引なし)なんて珍しくありません。駅前で24時間600円だと、”駐輪場”レベルの価格帯です。
周辺自治体と民間企業が協働で進めるパーク&ライド
なぜこれだけ安くサービスを提供できるのか。首都圏との価格差は単に土地代の差だけではないと思われます。その答えは筑紫野市のホームページにありました。
交通・移動における対策の推進
主要駅など交通結節点における駅前広場や駐車場・駐輪場等の整備を進め、公共交通機関の利用を促進し、マイカー利用の抑制を図ります。
出展:筑紫野市環境基本計画年次報告書より
即ち、パーク&ライドの推進です。
福岡都市圏は、福岡市を中心として放射状に市街地が発展しており、公共交通機関も放射状に延びています。従って、通勤時には都心部へ集まるように人と車が動きます。一方、筑紫野市は東西に広く、JRや西鉄で都心部へ出るには一旦横方向へ移動して駅まで出る必要があるのです。その手間や時間を考えると、都心部まで直接車で向かったほうが早いと考える人が多いのもうなずけます。その流れを止め、公共交通機関の利用を促進するために「パーク&ライド」の概念を取り入れ、試験的に運用しているのです。
ここ数十年で急速に発展した福岡市都市圏。交通インフラの整備が追い付かず、慢性的な渋滞はかなりの経済損失を引き起こしていることでしょう。都心部への車の乗り入れを少しでも抑制するために、官民一体化して進めていくこの事業、もっと多くの人に知ってほしいですね。