ぞうさんの知恵袋

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保育園と幼稚園、同じ子どもを預かってくれる施設だけどどう違うの?

2024年08月24日

※【最新情報】8月24日

小学校に行く前の子どもを預かって、外遊び、お絵描きなど、集団生活を学ばせて保育してくれる保育園と幼稚園。ほんの20年くらい前までは、保育園は両親共に働いている子どもが通うところ、幼稚園とはお母さんが専業主婦の子どもが通うところといったイメージでした。

しかし、最近はそういったイメージもなくなり、保育園と幼稚園の境も曖昧になってきています。

とは言っても現行の法律上、保育園と幼稚園って全く別のものなんです。今回は保育園と幼稚園の違い、またそれぞれのメリット・デメリットについて考えてみましょう。

保育園と幼稚園、その仕組みについて解説!

まず、保育園と幼稚園は、それぞれ所轄の省庁が異なります。それに伴い、必要な資格、費用なども異なってきますので、下記で比べてみましょう

    • 保育園

所轄庁:厚生労働省
法令:児童福祉法
必要免許:保育士資格証明書
給食:義務
保育対象年齢:0歳から小学校入学前の乳児や幼児
目的:日々保育者の委託を受けて、乳児または幼児を保育する

  • 幼稚園

所轄庁:文部科学省
法令:学校教育法
必要免許:幼稚園教諭免許場
給食:任意
保育対象年齢:3歳になった春から小学校入学までの幼児
目的:幼児を保育し適当な環境を与えて、その心身の発達を助長する
こうやって比較すると、共働きの家庭に変わって子育てする保育園、学校に上がる前のお勉強をする幼稚園、という感じがしますね。実際法律では、保育園は児童福祉施設、幼稚園は教育施設という括りになっています。

そのほか、保育料を見てみると、保育園は各自治体が保護者の所得に応じ設定しているのに対し、幼稚園は私立ならその法人が自由に設定、自治体なら自治体が自由に設定できるようになっています。

保育園は育児中心、幼稚園は勉強中心ってホント?

その成り立ち上、もともと保育園は育児を中心、幼稚園は勉強が中心という時代は確かにありました。働いているお母さんたちの中には、幼稚園のお勉強のカリキュラムに憧れがありながらも幼稚園は14時に終わってしまうため、仕方なく保育園に通わせている、という方もいたようです。

しかし、ここ20年ほどで保育園と幼稚園の見かけの上での境はほとんどなくなってきました。

幼稚園でも延長保育を実施、18〜19時まで子どもを預かってくれるところがありますし、保育園でも英会話・体操がカリキュラムとして組まれているところもあります。

保育園・幼稚園どちらも延長保育の間に、外部よりサッカーや英会話、習字の先生などを呼んで、習い事を園でさせるというスタイルも多くの園が導入しています。

また、幼稚園というと行事が盛んで行事ごとにお母さんが呼び出される、ということもありましたが、ここ10年ほど幼稚園行事に関わることも減少傾向にあるようです。

専業主婦のお母さんの場合は幼稚園という選択が主になりますが、共働きの家庭にとっては選択肢が広がりますね。いずれにしても、子どもの相性も考え、よりよい園を選びたいものです。

幼稚園と保育園 それぞれのメリット・デメリット

幼稚園
■メリット
・教育内容の充実度
園によって、英語や音楽、運動など重視している点も様々なので、ご家庭の教育方針に合った園を選ぶことができます。
■デメリット
・保育料
充実した教育環境が整っている園であれば、保育料が高額になるケースもあります。
・保護者の負担
平日の係活動や学芸会、運動会の衣装を手作りで行うなど、保護者には負担がかかってしまいます。

保育園
■メリット
・預けられること
1歳未満から預けられることや長時間預けられることは共働き家庭には大きなメリットです。
■デメリット
・競争率
希望する園に必ずしも入れるわけではなく、家から遠くなってしまったり、最悪の場合空きを待つようなことも考えられます。

第3の選択「認定こども園」とは

働くお母さんが増え、待機児童問題も深刻化、保育園に預けられずに困っているご家庭も多くなっています。一方、幼稚園は少子化により、廃園するところも出てくるようになりました。

そこで、この問題を一挙に解決しようと2006年10月に作られたのが「認定こども園」です。保育と教育、どちらも兼ね備えた施設として設置されたのですが、どんな仕組みなのか見てみましょう。

認定こども園には特色によって、4つのタイプがあります。

  • 幼保連携型
    幼稚園・保育所等の施設・設備両方が設置、運営されている。
  • 幼稚園型
    もともと認可されていた幼稚園に保育所的な機能をプラスしたこども園。
  • 保育所型
    もともと認可されていた保育園が幼稚園的な教育を備えたこども園。
  • 地方裁量型
    都道府県のそれぞれの認定基準により認定されたこども園。

こども園のメリット・デメリット

保育園・幼稚園両方の機能を兼ね備えたこども園。できた当初はとても期待されていたのですが、徐々に問題も明らかになってきました。

園の行事を行う際に、保護者の援助を仰ぐことがありますが、どうしても専業主婦のお母さんの負担が重くなってしまうということがあるようです。また、共働き家庭からすると、平日の行事には参加したいのに参加できない、ということになってしまいます。さらに保育料の面でも、公立か私立かで金額がかなり差があるようです。

認定こども園が作られた背景には、家族の形態にかかわらず、いろいろな子育て方法があってよいという考えがあったといいます。
こども園ができて10年。第3の選択肢として、改めて検討してみてはいかがでしょうか?

家族の多様化に合わせ、保育園・幼稚園、そしてこども園も多様化しています。安心して子どもを預けられるのはどんな環境がよいのか、預ける側の両親である私たちも事前に見学をする、仕組みを知るなど、しっかり学んで選ぶ必要があるのかもしれません。